ホームページにアクセスがあるたびに、サーバーからページデータ(HTML)及び画像データが呼び出され、閲覧者のブラウザへと転送されます。このデータの量を「転送量」といい、レンタルサーバーでは、1サイト辺りの転送量に制限を設けている 場合があります。
特に共有サーバーでは、当然ながら接続回線も共有している為、サーバー内にアクセスの極端に多いサイトがあると、他の利用者のサイトにも影響を及ぼし、表示が遅くなる等の不具合が発生する場合があるので、それを予防する意味で規定上の 転送量があった場合は、追加料金が発生するように設定されていることが多いのです。
では、転送量が無制限なら問題ないのか?というと意外とそうとも言えません。
前述の通り、転送量に制限が無い為に他の利用者の影響を受け、自分のサイトの快適性が損なわれてしまい、結果として著しくユーザビリティを欠いたサイトに なってしまったり、時には他の利用者のアクセスの為にサーバーがダウンしてしまう可能性もあるためです。
ただし、殆どのレンタルサーバー業者の「転送量無制限」という表記は、「どれだけあってもOK」という意味ではなく、「明確な転送量制限は設定していません」もしくは「転送量による課金基準を設けいていません」という意味で、低価格なレンタルサーバープランなどでは、月間30GBを超えるようなことがあれば、「他のお客様に迷惑が掛かるので上位のプランや専用サーバーに移行してください」と、利用可能な帯域に制限をかけられたり、アカウントをサスペンドされるケースもあります。
実際には、この転送量の「許容範囲」も事業者によってまちまちなので、事前に確認しておくと安心できます。
とはいえ、近年では接続回線自体の容量も増え、回線の利用料金も安くなったためか、極端に低価格のサーバープランを選択しなければ、それほど神経質になる必要もないかもしれません。
それでは、月間30GBの転送量というと、どの程度のアクセスとして考えるのがいいのでしょうか?
画像を含めた1ページ辺りのデータ量は平均で20KB~30KB程度・・・という表示をレンタルサーバー業者の解説ページで見かけるのですが、実際にはブロードバンド環境の一般化に伴い画像が多用される事も多くなりこの数値はあまり当てになりません。ましてや商用サイトとなるとかなり画像を多用する事が多いので1ページあたり200KB程度は見ておいた方がいいでしょう。
※ちなみに、本サイトのトップページで約200KBです。
30GB = 31,457,280KB
31,457,280KB ÷ 30日=1,048,576KB/1日
1,048,576KB ÷ 200KB = 5,243PV(ページビュー)
5,243PV × 30日 = 157,290PV
となり、理論的には月間160,000PV(160,000アクセスではないので注意)程度までと考えるのが妥当でしょう。
※もちろん、写真や動画を多用されるのであればこの限りではありません。
月間160,000PVといえば、個人サイトであればそこそこの人気サイトといえます。
初めてウェブサイトを作成される方であれば、当面は気にしなくても大丈夫な数値といえますが、商用サイトとしては少々心許ないところかもしれません。